『六つ』
暮れ六つに、手を翳すとひとすじ ふたすじ
名前を呼ばれても顔は見えない
闇に紛れて喰らおうか
明け六つに、ぱらりぱらりと残る星
床も襦袢も焼けて紅い
躯の星もぱらりぱらり
明けて消えずに 暮れを待つ