『のこり薫』
隣から 白い花が薫る
手を伸ばす
触れてみる
境界線が綻ぶと 沸き立つ薫に包まれる
満たされる
闇に落ちる
隣から 白い花が消える
苦しいほどの薫を残して
手を伸ばしても
何も無い
のこり薫を頼りに
花を求める
また 隣に
ずっと 傍らに