思うと

溢れる。



熱くなる

潤んでくる

止まらない。





『―――どうした?』

声をかけられているのに気がつかなかった。

うまく言葉が聞き取れない。

音は耳と頭の隅を刺激するだけで

中身なんて聞いちゃいない。

解っている。

私が欲情しているのだ。





沸き上がるものが抑えられない。



『……何だ その顔』

呆れている。

そうだろうな 自分でも解る。

呆れるほど

今の私は

誘う顔のはずだから。





表情が変わる

声が変わる







『…変?』


自分から手を伸ばしてみた。



びくり と揺れたのはどちらの躯だったのだろう。







070701