『色』


色に狂う

紅が私の上に降りてくる



ゆっくり

ゆっくり

私に色を落とす



紅く 熱く

小さな焔は束ねられ

私を飲み込む



堪えようとしても零れる

「――もっと声出せ」



紅が

低く 抉るように囁いて

私の中に入ってくる



内から染まってゆく

零れ落ちるのは 雫と吐息



止まらない



止める必要も無い



070719