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同じなんだ 誰が何をしても。
触れたら、昂ぶり、求める。
私だけじゃない。お前だってそうだ。それは悪いことではない。
そういう風になっているのだから、と納得すれば良いことだ。
でなければ他にどうすれば良い?
「あっ… は、…うっ あっ」
行為の激しさに呻くような声しか出せなかった。叩きつける腰の動きは躯全体を揺さ振る。髪が乱れ、汗で張り付いた。
後ろから貪られ、互いに顔は見えない。交わり、と言うより捕食のような行為だった。
それでも、欲で繋げようとしたのは私の方なのだ。賽を投げたなら遣り遂げなければ意味が無い。
まだ大丈夫。そう言い聞かせて揺られ続けた。若さ故の欲と興味だけで構わない。むしろそうでなければ困るのだ。
「ぅ…ん」
苦し気な声に勢いが幾分か緩んだ。突き上げではなく、抉るような動きに変わって、また躯は違う反応を示しだした。今までにない箇所を擦られる。痛みにも似た強い刺激が陰を潜めると、ゆるゆると自分の輪郭が崩れてゆく。
「あふぅ…っ」シーツを掴む手に力が入る。
まただ。また内がざわつく。
零れる声に艶が増すと、背後から息を呑む音が微かに聞こえた。
「なあ…さっきみたいな声出せよ」耳元で囁かれてふと我に返る。
「…力ずくでは開かんと言ったろう」
どうすればいいと思う?
と聞き返してみた。
返答はしばらく無かった。そのうち、動きが止まり私の中の杭が引き抜かれた。内壁が名残惜しげに絡んだのが自分でも分かり、頬が熱くなった。
「…俺は経験不足だからな。お前が好きなように動いてくれよ。」
「!」
私の躯の向きを変え、対面になった一護がにやりと笑った。
何を言い出すのか。
私の言葉がよほど気に入らなかったようだ。今まで衝動をぶつけていても、まだ足りない、という顔でこちらを伺っている。よほど羞恥にまみれた私が見たいのだろう。自分から求める姿が頭をよぎる。
それは酷く淫猥だった。
目線を落とすと、今まで繋がっていたところが見える。そこはぬらぬらと欲を湛えていた。
「…好きにしていいのだな?」
小さくそう漏らすと、私はゆっくりと手を伸ばした。
070818