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浦原商店に着いた時の事は良く覚えていない。私は半分気力で意識を保っていたようなものだったから、
一護の怒鳴り声と商店の何人かが騒ついていた事しか頭に残っていなかった。
茶色の小瓶に入ったものを飲め、と言われ口にして、どうにか躯が落ち着き、話が出来るようになった。
「黒崎さんはかすり傷ですよ。絆創膏で大丈夫。
でも朽木さんのこれ…ちょっとかかりますよ。」
とりあえず、と私の左腕は処置が施された。時刻は九時を過ぎていた。
「 一護、先に帰って休んでくれ。 もう夜も遅い。
私は今日はここで治療だ。」
「分かった…」
すまない一護。何か言いたげな顔に、私は見て見ぬ振りをした。狡いことは承知の上だが上手く言葉が見つからなかった。
いや、何を言っても変わらなかったのかも知れない。
「さて…かなり無茶しましたね。そんなになって黒崎サンを守ろうとするなんて凄いですねえ。」
「そうか…な。お前ならこの腕治せるだろう?」
「まあ…外傷は治りますよ。
それより、この体で鬼道撃ったんですよね?傷よりそっちの治療が優先です。」
浦原の声が変わった。
「このままじゃ霊力が下がり過ぎ、普通の人間以下だ。
あなたの存在自体が危うくなりますよ。」
いつもののらりくらりした口調ではなく、目が笑っていなかった。
「…緊急事態なんで、ちょっと失礼。」
突然浦原はブラウスのボタンを外し始めた。
「浦は…ら?」
何を、と言う前にはだけた胸元から両手が侵入してきて、下着をたくしあげた。
驚く間も無くなだらかな膨らみが手のひらにすっぽりと収まった。
「今からアタシの力を朽木さんに注入しますから、それを溜めて下さい。」
それを聞いて、霊力をその手から送るのか、と私は身構えた。しかし、何も入って来る気配は感じられなかった。
代わりに膨らみを捉えた指がゆるゆると動き始め、柔らかな刺激を与え出した。
「なんっ…ぁ!」
今日は何という日だ。こう何度も煽られ、抑えてを繰り返しては、コントロールなどできるものではない。躯はすぐに欲情を思い出して熱を帯びはじめた。
触れられてもいない頂が固く主張し始め、ぞくぞくする快楽が下半身に集まるのが分かった。
「うっ…ら はら あっ…!」
「大したことしてないのに、感度いいですねぇ。」
「うるさい…っ。この義骸は 反応が良すぎなんだ。もっと鈍感でいいのに…。」
「それはこういうとこですか?」
固くなったしこりを指の腹で摘まんで擦られた。
「ぅんっ…!」
触れられたところが熱を持って息づいた。肌が粟立って眩暈がする。
「これはねぇ朽木さんが感度いいのを 義骸がきちんと再現してるだけですよ。」
浦原が笑った。
「…ひとの からだで遊んでないでっ 治療じゃなかったのか?」
「治療ですよ。いきなりじゃキツイだろうから慣らそうと思ったんですけど…」
右手が脇腹を伝って腰骨辺りを撫で回した。
「必要ないみたいですねぇ?」
恥ずかしさと悔しさが入り交じって顔が熱くなった。実際その通りで、何の反論も出来ない。それどころか、私の躯は全身で次の刺激を待ち望んでいたのだから。
「…お前ばかり楽しそうだな。」
「んなことないです。緊急事態って言ったでしょ?
うちに来てすぐ飲んで貰ったの、あれ気付け薬みたいなもんなんです。」
腰骨辺りの手がスカートの留め具を外してファスナーを下ろし、中に入ってきた。骨張った手が当たる。
「朽木さんが今動けるのはあれのおかげなんですよ。苦しくないでしょ?」
確かに気を失いそうな苦痛からは解放されていた。
急に内腿を這っていた指が布越しに亀裂を擦り上げた。
「あうっ!」
今までとは比べものにならない刺激に腰が跳ね上がった。
「あの効果は一時的なもの、せいぜい1時間がいいとこ。切れたら逆戻りです。」
浮いた腰からするすると下着が下ろされた。
「だからその前に」
熱が潤んだ入り口に当たるのを感じた。
「終わらせますよ。」
070721